HITOTSU学公開講座、2011年最後となります今月、十牛図編第6回は「日本道」についてでした。
今回は、現代を「不安」の時代として位置づけ、世界がどのような流れを辿っているのかを整理することから、日本が求められている道を皆様と共に考えていきました。
IT経済と金融経済の発展によるヨーロッパ・アメリカ型の利潤追求システムの結果として、99%:1%と言われるほどの強烈な格差社会が広がってしまっています。
そこからくる中産階級層の没落と貧富の二極化が進み、99%の層が抱える不平不満は爆発寸前です。また、大衆迎合的なポピュリズム政治が蔓延してしまい、企業倒産の時代ではなく国家倒産する時代を迎えています。
政府のリーダシップの限界を迎え、もはや目先だけの解決策では問題は対応不可能なほどに深刻化しているといえます。
この結果、今までの時代を牽引してきた原動力。すなわち革新の原動力が機能不全に陥っています。歴史的には農業社会時代の権力者であった「王」のように生きることができることをモチベーションとしていた時代から、産業社会へ移行するとそれは「お金」の蓄積力へと変化していきました。
物の豊かさ、高さの幸せを追求する時代から、新しい時代にはさらに心の豊かさ、深さの幸せを伴う必要があります。そのためには、これまで追求してきた「体感覚」の自分だけではなく、「心感覚」の自分をプラスし中心にしていくことが必要であります。また、時代の転換期・パラダイムシフトには、農業社会から産業社会にパラダイム転換した成功モデルから、以下の4つが必要な条件であることがわかります。
≪日本道の絶対条件≫ (1)人間の身分上昇(尊厳性の上昇 王様の奴隷の自分である個人から解放) (2)新しい力を活用(ex.産業時代を開いた機械の力) (3)知識の大爆発(神を使った宇宙自然・生きる意味・価値の理解から、力による理解(数学・物理学・経済学などの学術)) (4)新空間の開発(農場空間の開発から工場空間の開発) |
この4点をクリアーするためには、これまでの既存の知識技術では限界です。
条件状況によって変化してしまう相対世界を扱ってきたこれまでの追求をストップし、条件状況によって変化しない絶対世界を併せ持つことから、今の時代の知の限界を突破していくことができます。
西洋ではこの新しい世界を現実空間と分離した超越的世界として捉えたため崇拝の対象となってしまい、東洋ではこの世界は言語化できない世界として捉えたため(不立文字・以心伝心)、一部の人たちが部分的にしか活用できない世界として、こちらもまた日常とつながりにくい世界として扱われてきました。
観術は、その「全く新しい世界との出会い」を可能にする新しいイメージ言語であり、今ここで応用活用することができる認識技術であることをお伝えしました。
重要なことは、判断基準の5つの限界を理解することです。私たち自身の認識方式の変化が必要であることを確認しました。
これからの時代に必要なのは「認識技術」です。観術は現代の多様な問題を解決し、さらに喜びと感動、創意性があふれる世界が生まれることを確信しています。そのためにもぜひみなさんに観術と出会い、興味をもって学んでいただきたいと願っております。
そして、現代の社会をスマート社会として位置づけ、産業社会が追求してきたポイントから、今の時代が追求するポイントを整理しました。
消費者ひとりひとりが強力な力をもっている時代です。そこにどのような創意性を生み出すことができるのか?そのためには観点転換の技術が不可欠であり、個人の人間商品力が問われる時代であることを整理しました。
このような時代と世界の流れの中で「日本が進むべき道」を十牛図の段階に当てはめて解析を行いました。
1.尋牛
(クリックで拡大)
すべての問題の原因は、観点固定による判断基準の問題が解決されていないことです。その問題を解決できる新しい観点、価値観、システムを生み出すことができるのかが日本の課題であり、ミッションです。
2.見跡
不信克服時代。私たち人間は、これまで現象を説明するために生み出されてきた言語(暗記言語)を基本形として使っています。ですが、今ここの全てを説明できない状態で生きていることで我が強くなり、過剰な無限競争と個人主義が広がってしまっています。個人個人の判断基準の差を解決できないため疎通交流が困難になっていることが、現代の本質的な問題です。
3.見牛
多様な因果関係や2分論に支配されている状態は、限界がある人間五感覚脳の支配下に置かれているといえます。よくわからないまま、ただ自分がしっている世界を信じ込んでいる世界に実は私たちは生きているのです。
全ての差を取ったとき(悟り)に、すべての存在の存在方式が理解でき、Science(科学)として整理が可能なのです。これからの時代は科学を悟らせること、悟りの科学化が起きます。そこから教育革命が起こり、今までにない新しい価値観が生み出されていきます。
4.得牛
これまでの画一的な暗記中心の教育ではなく、現代はここの能力を高めるためのオーダーメード教育が誕生しています。ですが、今からは消費者主導・消費者主体のスマート教育システムが誕生していきます。自らの意志で教育を学ぶ時代になるのです。
5.牧牛
自分自身が全体像を整理できるイメージと能力をもった個人。これまでの時代はプロフェッショナルが重視されましたが、これからはそれぞれの専門性を持ちながらも全体とつなげることができるプロゼネラリストが必要となる時代です。人間とはなんなのかを明確に持った悟った個人が大量生産されるようになっていきます。
結果として、悟りの教育が広がり、そこから産業化・職業化へと広がっていきます。
6.騎牛帰家
悟り教育によって観点が移動することにより、これまでの産業技術も大きくバージョンアップします。農業時代から産業時代に大転換したとき、産業社会が生み出した科学技術が、農業自体をも大進化させることができました。
悟りと科学のコンバージェンスによって、これまでの科学技術の限界も補完され、さらなる飛躍が可能になっていきます。ありとあらゆる分野が進化し、教育の内容自体も悟りをベースとしたソフトウェアコンテンツの開発が加速していきます。
7.忘牛存人
悟りの個人の連帯から、つながり、組織も変化していきます。現時点で最大の規模である国家自体も、今までは領土中心国家主義を貫いてきましたが、個々の人間同士のつながりによって生まれる新しいフィールドプレートの登場を妨げることはできないでしょう。
個々に分断され、摩擦と消耗に疲れはてた人類歴史をSTOPさせ、判断基準と判断基準の格差を取ることで、全体を感じながらつながっていくフィールド国家のモデルを生み出す必要が出てきます。
それは、本来最もつながりやすいはずなのに、つながることが最も難しいと言われている日本と韓国がつながることが世界中に可能性を感じてもらうことになると思います。Noh Jesuは母国韓国、そして第2の故郷である日本が本当に未来にひとつになっていく道を選択することが人類歴史の大転換へとつながると確信しています。
そのため、日韓ビジョン同盟のムーブメントを民間から起こしながらつながっていくことを目指しています。
ぜひ、私たち一人ひとりの選択から、未来を作っていきましょう!
8.人牛倶忘
ひとりひとりの判断基準の差を取り、観点固定の問題を解除すること。これが次代の教育の基本となります。これまで東洋は西洋の科学万能主義を受け入れ学んできましたが、これからは悟りの知恵を持って新グローバルスタンダード教育モデルを体系化し、世界に提供していく側に立っていくことが求められます。
日本は世界の人々が共に生活し、人間としての生き方を学ぶことができる教育Hub立国として新たな道を開くことが重要です。フィールド国家のモデルとして、日韓連合国を現実化していく生き方の段階です。
9.返本還源
アジア連邦国の創建。判断基準の問題を解決し、憧れの生き方をどんどん広げていきましょう。人間の無限の尊厳性を感じながら世界がつながっていくことをワクワクしながら毎日を生きることが可能な未来です。
10.入鄽垂手
One World。世界がひとつになって、新しい喜びと感動があふれる文化文明を創っていきましょう。悟りが当然のように広がり、人類は新たなステージに向かって進んでいけます!
日本の底力、日本の魂を「日本道」としてお伝えしてきました。
私たち一人ひとりが、どんな認識を持つべきなのかに関心をもって、今からの時代を作っていく主人精神を取り戻すことが重要ではないでしょうか。
Noh Jesuは、悟りの技術をもって世界をリードしていく日本のミッションを明確に確信しています。そして、そこに全てを賭けて取り組んできました。
アメリカ・ヨーロッパ型の社会システムの限界が明らかになってきている今、その問題の原因が根本判断基準。すなわち私たちの認識システムの問題であることを明確に指摘し、その処方としての代案がJapan Missionであり、観術です。
2011年は、3.11大震災に代表されるように、大きな変化を要求された一年であったと思います。2012年もまた、世界中が混乱の中、大きな方向転換が求められていくことと思います。そこに日本がどのような役割を果たしていくのか。私たち一人ひとりの生き方が問われることと思います。
どうぞ皆様に観術に関心をもっていただき、未来の日本をリードしていく仲間として共にワクワクの毎日を創造していきたいと願っております。
来年1月は「知の統合」のテーマでHITOTSU学公開講座を開講いたします。2012年が日本と世界にとってどのような年となるのか。人類の歴史を概観しながら、明確なビジョンとともに、スッキリと新年をスタートできる場としていきたいと思います。
皆様とお会いできることをスタッフ一同、心よりお待ちしております。よいお年をお迎えくださいませ。
2011年もHITOTSU学公開講座にご参加くださいまして本当にありがとうございました。