
今月のHITOTSU学公開講座は、これまで約4年間にわたりお届けしてまいりました教育思想シリーズの総集編としてお送りいたしました。
今回は概論のほか、教育思想シリーズ理解のためにということで、HITOTSU学が単なる知識の伝達にとどまらず、その情報知識が生まれる背景となる認識方式・イメージ方式を扱っていることをお伝えしました。
21世紀悟りの全体像を「十牛図」を用いてお伝えするところから始まりました。
「十牛図」シリーズの内容はこちら
古来の聖人たちが伝えようとした悟りの内容と、悟りの生き方が広がっていく流れがイメージしていただけたと思います。その流れに当てはめて、「般若心経」・「老子道徳経」・「孫子の兵法」・「聖徳太子十七条憲法」の振り返りをさせていただきました。
「般若心経」を通して、空の悟りについてをお伝えし、現実世界から離れることができるイメージとの出会いを説明しました。現実世界を条件により変化する相対の世界と捉え、その背後にある絶対の世界との出会いをイメージする必要性を語っている般若心経の全体像をお伝えしました。
次は「老子道徳経」の世界より、第一章・二章・四章・五章をご紹介しました。
現実から離れた空の世界と、今ここの色の世界を両方説明する「玄」の世界を表現した老子の「道」。そこには人間的なイメージを超えた、真理のメカニズムに沿って生きる生き方が示されています。聖人たちが伝えたかった、悟りの人たちによって作られる新しい未来社会の到来を願う心を感じられる内容であったのではないかと思います。
休憩を挟みまして、続いては「孫子の兵法」の第一章・計編を振り返りました。人間の根本判断基準の問題を中心として語られる計編。戦いをしない、相手とひとつであるところから出発して見たときに、孫子の兵法は究極の平和思想であると観ることができます。
観術では、すべてが分離できないHITOTSUから出発した演繹的思考方式から整理整頓をしていきます。本来、自分と相手と分離がない状態がイメージできるのかどうか?今ここの認識の変化を案内する観術から見たときに、どうして人間が争いを超えることができないのかの究極の問題を「判断基準が生み出す問題」として整理可能なのです。
最後は「聖徳太子十七条憲法」より第一条と第二条をご紹介しました。
悟りは特別なものではなく、誰もが悟ることが可能です。悟りは認識方式の問題であり、そのための道具を持っているのかどうかであると観術は語っています。
聖徳太子も、仏教や儒教、神道のそれぞれの長所を生かして悟りの政治を志しました。日本が目指すべき方向性は「平和」。それは、悟った個人の連帯によってのみ可能なのです。
短い時間での振り返りとなりましたが、過去のシリーズの内容に触れることができ、観術が目指す世界のイメージを深めていただけたのではないかと思います。ありがとうございました。
過去の聖人たちが勝負した世界と同様、Noh Jesuもまた、平和な世界の実現にむけ全力で取り組んでおります。平和は今ここの認識方式から作られます。皆様と共に、新しい平和な生き方のモデル創造に向けて取り組んでまいりたいと思います。
来月からは「観術から見た21世紀の新しい生き方~スマートライフ~」のシリーズが始まります。悟りが現実の生活を変化させていく時代。ぜひご期待下さい!