第76回 HITOTSU学公開講座 (2012.9.9)

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HITOTSU学公開講座、和の産業化のテーマでの第2回目となりました。

今回も時代の流れ全体を概観し、今までの人類の生き方を整理するキーワードとして「自分をどう評価するのか?」をあげました。

古代の農業社会から、近代の産業革命に至るまで、どのような他者との交流を持ち、関係性を構築してきたのかが社会全体の成長過程であったとも言えます。
古代の王権を中心とした封建社会では、追うだけが自由な生き方の裁量権を持ち、大多数の農民たちは自分の意志で自由に生きることもできない状態を余儀なくされていました。これは、言い換えれば人格までをも売買する時代です。

近代の市民革命の波は、世界中の個人を王の権力の奴隷から解放し、人格の売買という行為自体を禁止し、かわりに物商品を資本主義社会を成立させました。次第に物商品だけではなく、労働の売買、特に肉体労働力としての契約関係が大量に生産され現代社会の生き方の基礎が作られています。
ですが、これがロボットの登場により人間の雇用の場が脅かされ、さらに閉塞してきた物商品の市場を突破して経済を活性化させるために欧米が開発した金融市場の発展は、人間の尊厳性自体をも脅かすようになってしまっています。

この社会全体の需要と共有のアンバランスによって、人間よりもお金や物商品に価値が生まれるという逆転現象が起こってしまっている問題を解決していくことが、時代の方向性としても必要です。

商品自体も、素材・原料、機能、性能、効能、デザイン、CSRなど様々なポイントを改良しながら価値付が行われてきていますが、物商品は、これらのポイントでも差別性が難しいほどに市場が成熟し、飽和状態を迎えています。ここで、市場自体が大きな転換ができるのかどうかが、重要です。

この転換点をイメージするために、「メカニズム消費社会」と「システム消費社会」の違いを明確に理解する必要があります。

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メカニズム消費社会は、Inputがなく、Outputされたものだけを消費する仕組みです。これは、消費者は生産者として企業の生産活動に従事することはなく、企業が生産したものを消費するだけです。消費者は受動的に企業からの商品の提供を待ち、消費を煽動され、企業の商品を購入しています。これは、ある意味で企業に奴隷化されている消費者という一方的な関係性であるといえるでしょう。

一方、システム社会ではInputとOutputの両方が存在します。これは、消費者であり開発者であり、生産者でもあるという立場を取りながら、創意的に需要と市場に関わっていける状態です。

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この変化をイメージするためのケーススタディとして、携帯電話業界でのノキアとアップルに代表されるスマートフォンの登場を比較してみました。

携帯電話業界に訪れた大きな変化は、

  1. 1.パラダイムが変化したこと(携帯電話→端末機)
  2. 2.端末機能のOSをオープン化し、アプリケーション開発環境を消費者に提供したこと
  3. 3.プラットフォーム戦略(消費者の生産者化・開発者化)に移行し、需要と市場を消費者と共に作っていけるのか
  4. 4.メカニズムからシステムへの移行

ノキア社は、全世界の携帯電話会社の中でも先駆けて①ハードウェア②市場占有率③通話の質④デザインなどを開発し、他を圧倒していました。しかし、スマートフォンの登場により、時代の変化についていけず、今ではすっかり低迷してしまいました。
代わりにアップルをはじめとするスマートフォン市場が世界中に広がっています。
この差が生まれた原因が、先に挙げたパラダイムの変化についていけたのか否かなのです。

ノキア社は、自社携帯電話で作動するアプリケーションの開発環境を自社内、関係企業内に留めてしまうことで、結果的に市場の変化に対応できず、顧客がスマートフォン市場に流れてしまいました。逆にアップルは、顧客であり、消費者であり、開発者であるという仲間を得た状態で新しい市場の開発開拓に成功したのです。

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では、私たち人類が次の社会に向かうためには、何が必要なのでしょうか?
人間自身が、お金や物商品よりも価値ある存在として認定されるためには、今までのレベルの人間に対する定義では難しいでしょう。
観術では、この人間に対する再規定を「認識革命」と表現しています

車も必要な部品が組み立てられて、そこから作動するように、人間は認識のセットによって行為(考え・感情・言葉・行動・関係性)を生み出します。
今まで私たち人類が使ってきた認識方式は人間の5感覚の脳の構造によって作り出された結果である現実の画面を出発し、そこに言語を用いて名前を付け(暗記言語)、因果関係を整理してきたものです。
つまり、人間5感覚の脳の認識メカニズムという設定の結果だけを見ている状態はメカニズム消費の状態であるということです。システム消費に移動するためには、何が5感覚脳の認識を可能にしているのか(Input)を理解する必要があります。

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この今までの認識・イメージの中だけではなく外側を取り入れることが、変化にとって必要なことなのです。

変化について定義を語っているのは、西洋の物理学の祖、アイザック・ニュートンです。彼は「慣性の法則」を定義し、そこでこのように語っています。

「ある物体が外部からの力作用が無い場合、同じ動きをし続ける。(物体の属性は変わらない)」
この裏をとれば、
「ある物体が外部からの力作用がある場合、動きは変化する。(物体の属性が変化する)」となり、このことから、次の内容が導かれます。

「物体の属性は内在しているのではなく、外部(他者)との相互作用によって決定される」

つまり、変化のためには外からの新しい力を取り入れる必要があり、私たちの認識設定が変化するためには、5感覚脳の認識イメージの外が必要になるということです。そのために必要な技術として観術があります。人間と人間の宇宙全体を成り立たせている感覚を、論理とイメージで誰にでも提供することができます。

その新しいイメージと相互作用をすることで、今までの認識の問題点が解決し、さらに自由で創造性あふれる時代にむかう認識をリセットできるのです。
観術は、今からの時代にこの新しい感覚(6感覚)をセットした人材によって、システム消費社会に貢献できると確信しています。

現代は、協力体制を構築することが非常に難しい時代です。今までの産業社会の協力体制、お金の力に依存した秩序の構築が限界に来ています。そして情報化社会においては個人個人の判断基準の摩擦衝突がひどくなり、ますます協力することが難しくなっています。
この個々人の判断基準の問題を解決できる人(悟った人)を大量生産し、新しいイメージを取り入れることによって、悟った個人の連隊が起こる社会が未来社会の基本ベースになっていくのが和の時代です。
そして、人を悟らせることができる人がどんどん生まれる社会へプレートチェンジが起きる時代に、いち早くそのプレートを皆様と共に作っていきたいと願っております。

来月も、和の産業化のテーマでさらに内容を深めてまいります。皆様のご参加お待ち申し上げております。

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