第78回 HITOTSU学公開講座 (2012.11.11)

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今月の公開講座の始まりは「通」と「痛」のキーワードからスタートしました。
現代の問題の解決にもつながるこのキーワードは「疎通」の重要性を語っています。
疎通交流が起きるないことが「痛」を引き起こしていきます。

これまでの人類歴史も、時代時代の限界を突破して新たな道を「通」してきたものともいえます。

封建社会・農業社会の限界を突破した資本主義社会・産業社会においては、陸路・海路の発達に伴い、「モノ商品の流通路」という新しい道が開発され、「市場」が形成されてきたことに例えられます。そして現代は物商品があふれるこの流通路がすでに飽和状態を迎え、次の路を開拓する必要に迫られている時代でもあるのです。

また、農業時代における協力体制よりも産業社会、情報社会における協力体制はより高度な協力体制が要求されることもあり、これまでに構築してきた全てのシステム自体が、変化を求められているという現在地を皆様と共有しました。

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これらの社会状況の中でも重要なポイントが、「消費マインドの限界」です。これまでの社会構造を支えてきた生産要素をまとめると、以下のようになります。

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それぞれの社会において、人間が生きる意味価値を生産してくれたこれらの資源や知識は、個人個人の消費マインドを活性化させて市場全体を活発に動かす役割を持ちます。ですが、現代においては、この情報技術を編集デザインできるのはごく一部の人たちに限られ、大多数の人たちは、生産や創造の喜びを感じられないまま、ただ消費ばかりを煽動されて、心が疲れきってしまっているのです。
これまでの政治権力は、お金をコントロールすることで消費欲求を煽動してきましたが、それらが住宅バブルや金融バブルを引き起きし、供給過剰・生産過剰・飽和状態の今日の世界的な経済危機を招いてしまっているのです。

この個人の消費マインドの回復なしでは、本当の経済活性化は起こりません。そして、そのためには、これまで消費者の立場だけしか持つことができなかった個人個人に生産手段を提供し、生産者と開発者としてのアイデンティティを同時に持たせることが必要になります。それを可能にする技術が未来技術であり、新しい感動パターンの創出と市場の創出が可能になるのです。

では、未来技術の本質はなんなのでしょうか?そのためには、これまで私たち人類が開発してきた技術を理解することが必要です。

これまでの製造業を牽引してきた技術は、もちろん科学技術です。科学技術は、私たちの肉体の外側にある宇宙自然を開発開拓する技術です。しかし、最先端の科学技術は前述の通り、ごく一部の人しか活用することができません。
かわりに、私たちは肉体労働に従事し、生産された物商品を流通業によって全世界に拡散させてきました。さらに、ITとロボット技術は人間のこれまでの肉体労働を代替してくれるようになりました。
モノ商品の流通が、国の壁を越え、インターネットやスマートフォンの登場は、グローバル化を一層促進しました。そして、翻訳技術や音声認識技術のバージョンアップは、これまでの国家の成立基盤の一つであった地域・言語の境界線までも突破しています。
今や、すべての秩序が崩壊状態であり、その中で消費者は価格破壊に代表される破壊状態を消費することにだけ楽しみを見出している状態です。

商品の行き場もなくなり、ロボットやITによって職場さえも奪われ、グローバル化も進行し、処理しきれないほどの膨大な情報知識に翻弄されている中、残った最後の問題は、個人個人の「観点・判断基準」の障壁を「通」すことが必要です。
そのために必要な技術が「認識技術=観術」であり、この技術により創出される「精神労働」の新職業と産業が誕生するのです。私たちが向かう未来は「精神労働市場」なのです。

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文明全体の変化を概観した上で、改めて現代社会の構造を見ると、供給強者によるバブル・生産過剰状態と、需要(消費)弱者の消費疲労という構造になっています。
現代の消費者は消費に対して不安・恐怖・疲労の状態であり、これ以上の消費自体も無理がある状態です。この消費弱者を強化するための技術提供が観術ですが、もう一つ必要なものがあります。
それがネットワークとスタンダードです。これまでのネットワークは商品を媒介にしたり、人間関係を中心として展開されてきましたが、これからは、全てにおいて透明と正当性を持った70億人が共通で参加できるメタネットワークの建設が課題となります。
すべての人が公平に参加できるシステム・プラットフォームの建設は、これまで不透明であった供給強者による搾取構造を開放し、個人個人が主体的に関わることのできる市場を創出することとなります。
このプラットフォーム建設のためにも、個人個人の私利私欲、国家民族宗教の枠組みを超えた、無所属感覚・ゼロ感覚をもった人たちによる連帯が必要なのです。

観術が案内する悟りの知恵は、このゼロ感覚を共有し、悟った人たちによる新しい人間関係の構築とネットワークの構築を可能にします。
これこそが、次代を担うメタネットワークとなっていくのです。

一人一人が、観点を自由自在に応用活用し、個人個人の判断基準の壁を突破していくことができる技術が観術です。ぜひ、みなさま、観術とHITOTSU学に興味を持ち、新しい未来産業の担い手として、技術を身に付けていただきたいと思います。

それが、世界における日本の役割・使命ともつながっていくのです。Noh Jesuから、最後皆様に、その日本と日本人に対する熱い思い。そして、ぜひ韓国に足を運んで、いかにこれまでの国家が行なってきた教育が問題を作ってきたのかを実感して欲しいとメッセージがありました。日本人が受けてきた教育の問題、韓国で行われている教育の問題。
人間を作り出す教育のパワーを正しく理解し、新しい時代を担う人材を教育することができる私たちを目指して、まずはひとりひとりの観点の目覚めを案内してまいりたいと決断を深める内容でした。

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今月を持ちまして、和の産業化シリーズの内容は一段落し、来月はまとめと質疑応答の会となります。年内最後の公開講座、ぜひ皆様足をお運びください。
来月もお待ちしております。ありがとうございました。