第89回 HITOTSU学公開講座 (2013.10.6)

先月からスタートした公開講座リバイバル教育シリーズ「般若心経編」は、第二回目を迎えました。

今はアメリカのデフォルト危機をはじめとして世界経済は綱渡り状態であり、お金と心のバランスが崩れて、お金優先の論理がまかり通っています。心の時代と言われて久しい今の時代に、心や人の気持ちが経済を左右するにも関わらず、未だに現代の学問では「心とは何か?」が明確になっていないのです。

般若心経の世界は心のバイブルとされています。全世界で時代を超えて読み継がれている般若心経は、262文字というシンプルさの中に非常に深い内容を残しています。人類が生み出した書物の中で最も難しいとされるお経をHITOTSU学(観術)の観点から解析させていただきました。

講座の概論として、HITOTSU学が案内する「認識」の次元上昇と今までの学問とHITOTSU学の差別性の話をお伝えしました。

そして、なぜ今『般若心経』を取り上げるのか、なぜ2,500年前の釈迦が悟った世界が今もなお尊ばれているのか、「般若心経」を活用して、新しい生き方を獲得する事ができます。詳しい内容をご覧になりたい方は、第1回目の開催レポートをご覧ください。

次に、前回のポイントの振り返りから入りました。
「般若心経」で5回も繰り返して出てくる「般若波羅蜜多」という語句と一番重要なのは「照見五蘊皆空度一切苦厄」です。

「般若波羅蜜多」をHITOTSU学(観術)の観点で解析すれば、「ほどけ方・むすび方」になります。
五感覚脳の観点に固定している状態は、無知と四苦八苦から自由になれず、迷路に迷っているような状態です。そこから真実「1」の世界である空の明確な理解(=上部構造建設)を通して、認識の次元上昇を起こすことができます。そして、「空の観点」を得ることで複雑な現実世界の全体像がわかります。

五蘊とは、「人間の5つ(色・受・想・行・識)の繰り返し」=「宇宙の構成要素」であり、その五蘊が全て実在せず、空、即ちHITOTSUしかないことを観たことであらゆる悩み、問題、限界、危機から完全に解放された大自由の心そのもの、絶対尊厳そのものの自分になるのです。


詳しい内容をご覧になりたい方は、第1回目の開催レポートをご覧ください。

今回は、般若心経の中盤をHITOTSU学(観術)の解析をお伝えしました。

まず、十八界(六根・六境・六識)は私たちの認識メカニズムを説明しています。
私たちが五感覚で認識する前には何かの情報データがあります。その何かの情報データが色・声・香・味・触・法(六境)にあたります。その六境が私たちの眼・耳・鼻・舌・身・意(六根)と出会うことで、イメージそのものである眼識・耳識・鼻識・舌識・身識・意識(六識)が生まれます。
人間の耳は20~20000Hzの振動域を捉え、眼は380nm~780nm(1nmナノメートルは1億分の1メートル)の光の波長を捉えるように、それぞれの五感覚の感覚機能が引っ張る情報データは違います。

量子力学では、物質のミクロの様態を「粒子であり、また波である」としています。観測すれば粒子が姿を現しますが、観測されなければ速度や軌道を定める事は不可能であるとして、これにより物体は、物理的実在なのではなく、観測者とのモノとの間の「出来事」なのだ、と語っています。

つまり「自分」や「自分以外の世界」が無関係に存在しているのではなく、観察する側と観察される側との出会いによって、「自分」や「自分以外の世界」が生まれるのです。2500年前に釈迦が語っていた世界が現代の量子力学とつながってくるのです。

そして、この三科といわれる五蘊・十二処・十八界を説明しているにも関わらず、釈迦は全ては錯覚、バーチャル、幻であり、粒子や波動も無く、真実に実在するのは空しかない、と全否定しています。

十二縁起は、ビックバンから宇宙が誕生し、私たち人間が生まれて、苦しみが生じ繰り返されるプロセスを12の因果関係で表しているとされています。
HITOTSU学(観術)の解析では、今この瞬間、絶対世界に解けているのです。五感覚に観点固定されていれば認識できませんが、HITOTSU学(観術)では明確な論理とイメージで立証できます。今この瞬間、一発で宇宙を創造・破壊しているのが本当の自分自身という今までの常識が破壊される世界があります。

私たちの脳に理解させるためにあえて対応関係で説明する必要がありますが、固定しているものは一つも無く、真実に実在するのは解けて結んでしている空しかありません。

四聖諦(ししょうたい)の諦は、「真理」という意味であり、四聖諦とは仏教の観点で捉えた「4つの聖なる真理」という意味です。人間は生きているだけで苦しみがあり、その苦しみには原因があり、その原因を滅してしまえば、苦しみも無くなるのだと説いています。そして、そのための正しい実践を心掛ける道が八正道です。

ですが、五感覚脳に観点固定している状態では苦しみから自由になれないのです。四聖諦も八正道も無いALL ZERO化した空の観点を持つ事が重要です。

真実に実在する「空」しかない世界は、人間も、仏教も、観術も、悟りもない世界です。執着していたら悟っていない意味なのです。知っている世界から自由になることが悟りの状態です。

四法印とは、「諸行無常」「諸法無我」「涅槃寂静」「一切皆苦」のことであり、釈迦が印した4つの絶対的真理といわれています。固定しているものはひとつもありません。ダイナミックな全体の動きが空の世界であり、脳の観点で一瞬間だけこの体だけが自分だと決めつけて存在しているにすぎません。本当の自分は尊厳そのもの、自由そのものの存在なのに決めつけられたら苦しいのです。

今までは、脳ではイメージ不可能な世界だったため、理解、共感共有が難しかった空の世界、即ち真実「1」の世界を誰もが理解、納得し、日常生活に応用、活用できる客観性を伴った「1」を共有できる時代になったのです。これからは、空を悟り知る時代から、空を活用する時代になのです。

最後に、観術開発者Nohさんの想いでもある裏切らない人間関係構築を可能にし、悟りを職業化、ビジネス化、産業化できるHITOTSU学(観術)に一人でも多くの人に出会っていただきたいと思います。

第3回目は、11月9(土)の開催です。次回は般若心経編シリーズ最終回となります。また参加されたことのない方もお気軽にご参加ください。また来月もお会いできることを楽しみにしております。