2005年10月より開講してきた本講座も今回で第100回目を迎えることができました。HITOTSU学(観術)創始者Noh Jesuから始まり、その後観術講師が担当させていただいています。これもひとえに皆様のご支援のたまものと深く感謝しております。
今回から、公開講座リバイバル、21世紀の新しい生き方「和の産業化」全3回シリーズが新たにスタートいたしました。2012年8月にご好評いただいたシリーズ講座を今回からリバイバル編として開講させて頂きました。
「和」というと、和風文化、着物、日本料理、クールジャパン、アニメ、など思い浮かべる方が多いと思います。「和の産業化」とは広い意味でこれらの事柄は含んでいますが、本物の和は何か?を皆様と共に考えていきました。
今回、最初に共有した事として、2つのキーワードをお伝えしました。
◎ルール・メイキング。
◎尊厳性の危機。
まず、「和の産業化」がなぜ必要なのか、時代背景と現在地を共有させていきました。
海とお魚の話を例えにしながら、今の時代・社会(海)がどのように変化してきたのか、その海が変化することで、そこに生きる私たち(お魚)がどのように変化するべきなのか、という観点で整理しました。
科学技術は終わりなきイノベーション(革新)され続けているにも関わらず、人間の認識能力は、かなり低い水準の自己中心性(エゴ)にとどまってしまっているのです。歴史上のソクラテス、釈迦やイエスがいた時代から、人間の精神性は根本的には発達していないのです。このアンバランスこそが尊厳性の危機の本質なのです。
車で例えれば、タイヤの片方が小さい状態で走るようなものです。人生や時代という車をこのまま走らせてしまったらどうでしょうか。同じところをずっとグルグル回ってしまい、全く進化しません。
和の産業化=尊厳の危機の解決。
成功時代から尊厳時代に。(市場性優位時代から尊厳性優位時代に)
この尊厳の危機に対して、向き合わないと時間が経てば経つほど、深刻な状況になる事をお伝えしました。
それが、来年2月に19万8千円で一般販売される世界初感情認識パーソナルロボット、Pepper(ペッパー)の登場です。
Pepper(ペッパー)の特徴は3つあります。
1、人間の感情を認識。
2、クラウドAI(集合知による加速度的な成長)。
3、ロボットアプリ開発などによる個々のPepper(ペッパー)の進化。
今まで人間が動物を支配できていた要因だったのが、理性・思考能力が動物よりも進化していたからです。しかし、2018年には人間の脳をこえるコンピュータが開発されると言われています。今もコンピュータやロボットが人間の仕事の一部分を代わりに出来てしまっています。人間より先にコンピュータやロボットがグローバルネットワークでつながり、世界中の知を統合して、人間を支配する未来も全くの空想とは言い切れなくなっています。
人間の五感覚より優れ、今までの産業構造の結晶であるロボットが人間にもたらすプラスの可能性とマイナスの可能性とは何か、どんな新しい産業、価値観や人間の定義が必要なのか?こことつながる話をさせていただきました。
人間は常に出会おうとしてきました。歴史上で例えれば、陸路の開発開拓の一つで、シルクロードがあります。西と東の分離バラバラな所から、お互い動いていき、異質性の出会いによって、交流することで様々なものが生まれてきました。宇宙進化の仕組みと同じことで、分離したもの同士がお互い交流することで、オリジナルを超えていくのです。
陸路、海路、空路も同じように出会ってきました。日本なら、黒船来航があり西洋の文明との出会いがありました。現代は全世界がグローバル社会となり、IT社会ではロボットが統合しています。問題は心と心が全然つながっていません。心と心をつなぐ道が必要ですが、心がつながるとはどういうことでしょうか。それは、「関係性と協力体制の進化」につながる事をお伝えさせていただきました。
心でつながるという時、どんな心の状態でつながるのかが大事です。
もし、現代人の心の状態が、不安・恐怖・ストレス・プレッシャーの不健康な状態であれば、鬱・人間関係等(人の争い)への投資(≠損)になってしまいます。逆に、心が健康で元気な状態であれば、アイディア開発・発想への転換・時間・エネルギー・お金の投資につながります。
Pepper(ペッパー)だけでなく、スマートフォン自体も終わりなき進化をしています。それは、ハードウェアの進化もありますが、大事なのはソフトウエアのOSシステムの進化です。では、人間のソフトウエアであるOSとは何でしょうか。それは「脳」です。人間の思考、感情、言葉、行動、関係性を作動させているのは脳です。脳のOS、つまり認識OSは進化を遂げているのでしょうか。今の段階にとどまっていては、Pepperが世界中のPepperとクラウドでつながり、一つのPepperが習得した機能を他のすべてのPepperが簡単に習得してしまう時代に入るのです。
今まで人類は、脳の認識OS、すなわち5感覚の体感覚によって、暗記言語ですべての情報知識をつくり、共有しようとしてきました。しかし、5感覚脳の体クラウドでは、ロボットの5感覚に負けてしまいます。それは人類の大きな危機ではないでしょうか。
HITOTSU学(観術)では、その尊厳の危機を解決するために、イメージ言語を使って5感覚の体クラウドを次元上昇させ、心感覚ですべての情報知識を再構築する心クラウドを開発し、誰もが共有できることに成功しています。
その認識OSは、人間と人間が見ている宇宙自然を立体コンピュータ画面としてとらえ、その宇宙自然の画面のオンオフと、オン状態の多様な存在の変化・運動・移動を、シンプルなデジタルの動きのパターンで認識するのが認識技術であり、それがHITOTSU学(観術)なのです。
共通の場を持っているのか、持っていないのか。
メカニズム消費は、アウトプットだけでインプットがありません。メカニズム消費は、企業が開発した商品を消費者が一方的に消費する受動的時代です。これからのシステム消費は、市場に開発者、消費者、販売者が共に(win-win-All-win)需要と供給を創出する創意的時代なのです。
これからの心の時代は、なぜ生きるのかという生きる根拠や、生きる上でのあらゆる意思決定の根拠となる基準が、体感覚から心感覚へ変わっていきます。HITOTSU学(観術)は、今からの時代にこの新しい共通のプラットフォームである心クラウドをセットした人材によって、システム消費社会に貢献できると確信しています。
まとめとして、産業を成り立たせる6つの要素をお伝えしました。
1、人間とは
私たちは、知らぬ間に「人間とはこういう存在だ」と規定、つまりルール・メイキングをされています。宗教でいえば人間は神の被造物であり、科学でいえば、肉体レベルの人間が人間であるというに。色んな人間観があります。
HITOTSU学(観術)では、人間1人ひとりが自分自身の尊厳はどんな相手にも、どんな事にも毀損されることのない絶対尊厳そのものだと規定します。つまり「人間は、人間であり、神仏であり、神仏以上の存在」なのです。それを通して、全ての存在を無限の可能性そのものとして観ることができるようになり、今までの人間観と尊厳を遥かに上回る最高の人間の真実のアイデンティティが明確になるのです。
2、知識とは
IT産業を成り立たせるためにITの知識が必要なように、新しい産業を成り立たせるために新しい知識が必要となります。西洋がつくった知識のルール・メイキングにとどまっていては、心路を開拓することができず、人間の尊厳の危機を解決できません。東洋の悟りの世界と西洋の最終理論を融合して、シンプルに大統合ができる新しい知の領域をつくる必要があります。新しい産業である和の産業の和とは、現実の相対世界から出発するのではなく、絶対真実世界ひとつからすべてを観て、演繹的に相対世界を整理整頓ができて、すべての存在の個性と無限の可能性を引き出すことができる世界が本物の和です。個人主義や全体主義の弱点を補うことができる「場」で生きる生き方へと次元上昇していきます。
3、技術とは
知識を現実に変えるためには技術が必要です。人間の認識OSを進化させるのが認識技術、観術です。認識OSが進化すれば、今までにない多様な技術が生まれてくるでしょう。
4、商品とは
現代の商品の本質とは、体の機能の延長線上のものです。建物、服や靴は、寒さや危険を防ぐ皮膚の延長線上であり、ペンと紙は脳の延長線上です。科学技術によって、5感覚・体の機能を拡張させる多様な商品が生まれてきたので、5感覚・体自体が便利なのが当たり前の時代になりました。和の産業化では、心の機能を拡張させ、元気に健康にさせる商品が必要です。
5、職業とは
これからは、多様性と同質性を活かす共通の場、プラットフォームを持ってるかどうかです。職業は固定から流動性、多様性を活かす時代です。それが和の産業化です。
6、産業とは
これらの要素がすべて入って、教育と経済が融合した日本発のアジアのルネッサンスを起こしていくパラダイム転換につながる産業、それが和の産業化の持つ意味です。
終わりにHITOTSU学創始者NohJesuからのポエム「青い水から青い炎に」が送られました。
日本やアジアが尊厳が破壊された時代を包みこんで新しい時代を作っていきたい、そういう想いをもって描かれたポエムを紹介しました。
今回も、多くの皆様のご来場、誠にありがとうございました。
第2回は、11/9(日)の開催です。次回もどうぞご期待ください。