第102回HITOTSU学公開講座、リバイバル21世紀の新しい生き方「和の産業化」全3回シリーズの第3回目を開催いたしました。
はじめに、映画「インターステラー」や「インセプション」の話を少し引き合いに出しながら、HITOTSU学とは何なのか、またHITOTSU学とこれまでの学問の違いについてのお話をさせていただきました。
人間と動物の違いとして、理性・思考能力を持っていることがあげられます。人間はこの理性・思考能力を使い、あらゆる学問を作ってきました。
学問とは、「自分と自分ではない世界をどのように解析し、意味を規定し、生きる目的・価値を追求していくのか。自分と自然を理解するための認識方式(パラダイム)と規定できます。
しかし、現代の様々な問題に対して専門家や学問はたくさん増えてきていますが、全ての複雑な現象、問題を作り出す原因である脳機能の根本問題、「人間の部分認識の結果」ということに目が向けられていませんでした。
アインシュタインが「いかなる問題もそれを作り出した同じ意識によって、解決することはできません。」と語っていたように、あらゆる問題解決には、人間の意識の次元上昇、すなわち、新しい認識方式の獲得が必要という要点をお伝えさせていただきました。
次に、第1回目の内容をポイントで振り返りました。
詳しい内容をご覧になりたい方は、第1回目開催レポートをご覧ください。
和の産業化の中心価値は、今の時代の根本的な危機である、「尊厳の危機」の解決です。
今の時代背景の変化として、AI(人工知能)機能が急激な進化を遂げている事をお伝えしました。イギリスの理論物理学者のスティーブン・ホーキング博士は、「完全な人工知能を開発できたら、それは人類の終焉を意味するかもしれない」と警鐘を鳴らしています。
また、AI(人工知能)機能の進化によって、人間の働き方が大きく変わってくるだろう、と世界中の多くの識者が議論しているテーマもご紹介しました。イギリス•オックスフォード大学でAI(人工知能)などの研究を行うマイケル・オズボーン准教授の「雇用の未来ーコンピューター化によって仕事は失われるのか」という論文が世界をにぎわしています。
彼は、「今後、10〜20年程度で、米国の総雇用者の約47%の仕事が自動化されるリスクが高い。」と分析しています。
次に、第2回目の内容をポイントで振り返りました。詳しい内容をご覧になりたい方は、開催レポートをご覧ください。
3年目に突入したアベノミクスはどこへ向かうのでしょうか。そして、日本経済はどうなっていくのでしょう。
観術の観点からみたときに、お金の原理も自然界の原理も実は同じもので、「入って出る」のひとつの動きの繰り返しによって成り立っています。その動きが滞ったり固定してしまうと、不景気になります。
デフレ脱却のための第一の矢、異次元金融緩和の効果もあり、株価は2014年末の時点で2倍になりました。異次元金融緩和に踏みきることで、お金の流通量を増やし、供給側である企業の生産活動を活発にさせれば、需要も伸びて行き、消費が活性化し、企業業績も好転し、給料も上がって家計も潤い景気も良くなるというトリクルダウン効果が期待されています。
しかし実際のところ、お金はそんなに行き渡っている実感が世の中にはありません。さまざま原因が考えられますが、本質的にはこれは、お金やモノの「供給側」の要因ではなく、消費する側の「需要側」の問題です。
今の時代は、新たな需要、ニーズの喚起である、「ニーズ•レボリューション」が求められています。新しい消費マインドの掘り起こしがない限りは、本当の経済活性化は起こりません。また、これまでは企業が開発した商品を消費者が受動的に消費する時代でしたが、消費者と開発者と販売者が共に(win-win-All-win)需要と市場を創出する創意的時代の産業システムへとシフトする必要があります。
ノキアとアップルの例えでいえば、かつて「メカニズム消費」のパラダイムの中で、携帯電話の世界シェア40%以上を握っていたノキアでしたが、スマートフォンが開発された事によって、「システム消費」へとパラダイムが変わりました。アプリの開発OSをオープンし、プラットフォーム戦略を持ったアップルによって、世界シェアをひっくり返されてしまったのです。プラットフォームが開放されることは、消費者に開発者+販売者の立場をプレゼントすることになり、消費者自身が市場を拡大していく一翼を担うことができることを意味します。
また、経済活動の基本的な三要素で言えば、「土地」「資本」「労働」があります。
今は、土地から生み出すモノ商品と資本の開発ではなく、労働に象徴される、「人」への投資が必要不可欠な時代に入っていると思います。HITOTSU学がいう「人への投資」とは、人間の認識OS、人間機能のバージョンアップのことを指しています。
これまでの講座の中でもお伝えしてきたように、社会全体が変化してきている中、旧い常識を破壊するクリエイティビティをもって、情報知識社会をリードできる新しい教育システムが必要です。その教育システムがあるのかといったことが、組織の未来、国家の未来まで影響していくでしょう。
100年前、「機械が飛ぶことが科学的に不可能」と言われていた時代に、ライト兄弟は12秒間で36mという世界初の有人動力飛行に成功しました。彼らの常識を破壊する勇気あるチャレンジによって、空の時代が拓かれました。
HITOTSU学、観術も、意識1%の中の開発開拓時代から、99%の無意識の開発開拓時代、そして意識と無意識を司る究極の世界、新素材「1」を誰もが日常的に活用する時代という、前人未到のチャレンジを行っています。
12月には認識OSを活用したプラットフォームメディアであるKanjutsu TVもスタートし、これまで以上に皆さんと共に楽しく新しい時代を作っていきたいと願っています。
http://vimeo.com/113201913
http://start.kanjutsu.tv/
会の最後には、HITOTSU学創始者・Noh Jesu氏からのポエム「日本、飛龍昇天をみせろ」が送られました。
リバイバル21世紀の新しい生き方「和の産業化」全3回シリーズは、今回をもちまして終了いたします。沢山の皆様にご来場いただき誠にありがとうございました。
次回講座は、2015年1月18日(日)です。
次回からは、世界の歴史に新たな方向性を提示する、2015年のHITOTSU学公開講座新テーマ「フランス革命と尊厳民主主義」全3回シリーズが新しくスタートいたしますので、また会場にてお会いできることを楽しみにしております!