今回の講座も多くの方にご来場いただき、誠にありがとうございました。公開講座「フランス革命と尊厳民主主義」全3回シリーズの第2回目を終えました。
はじめに、最近気になるニュースとして、映画「マトリックス」「クラウド・アトラス」を手がけたウォシャウスキー姉弟監督による映画「ジュピター」(3月下旬公開)について少し触れました。インスピレーション鋭い監督のため、マトリックスシリーズ同様にこの映画にも何か大事なメッセージが込められているのではないかと思います。
そして、過激派組織ISIL(イスラム国)の問題も引き合いに出しながら、フランス革命と尊厳民主主義の話が私たちに密接につながり、これからの日本の方向性にも関わってくる事をお伝えいたしました。
冒頭では今回も、HITOTSU学とは何なのかという概論をお話ししました。
既存の学問とHITOTSU学とは、大前提が大きく違います。
まず一つの例えとして、参加者の皆様に心臓に手を当てていただき、「今この瞬間、自分の心臓が止まっている人はいますか?」と投げ掛けさせていただきました。血液の流れ、細胞の新陳代謝なども同様で、身体は常に動いています。
また地球の自転公転や、太陽系、銀河系も回って動いています。物質も電子顕微鏡でミクロの世界を見れば、分子や原子といった存在が動いているのです。
それでは、なぜ、宇宙全ての存在は動いているのでしょうか?
その背後には、宇宙全ての存在を存在させている、目には見えない「作動原理」が働いています。
「存在」が存在しているのを大前提に考えているのが現代物理学を代表とする既存の学問ですが、HITOTSU学は、宇宙全ての存在を存在させる、目には見えない「ひとつの作動原理」で全ての現象を整理整頓して観る、新しい認識方式の学問です。
次に、前回お伝えした内容を振り返りました。
1789年のフランス革命に象徴される「西洋近代」と日本が明確につながり出したのは、幕末の黒船来航の時期からです。
当時、西洋列強の圧力があり、近代化を成し遂げなければ日本が植民地化される可能性がある時代状況でした。そして、それだけ西洋諸国が圧倒的な力を持つようになったひとつの原因には、フランス革命による政治体制の影響が大きくあります。
そしてフランス革命がきっかけとなって生まれた「自由民主主義」という一つの政治体制を今現在最も体現し世界をリードしているのは、アメリカです。
教育、経済、政治、文化とも世界中に影響力を持っていますが、今のアメリカ中心の世界秩序の延長線上で果たして10年先、20年先の未来に明るい希望に満ち溢れた社会を期待できるのでしょうか。
21世紀に入ってから、中東でのイラク戦争、近年のISILの残虐行為、ウクライナ情勢、ギリシャの経済危機など、混迷を深めています。そんな西洋社会プレートの限界を越えて、「尊厳民主主義」の時代プレートを作っていく使命が日本にはあることをお伝えいたしました。
次に、第1回目の内容をポイントで振り返りました。詳しい内容をご覧になりたい方は、第1回目開催レポートをご覧ください。
陰陽五行(2プラス5)で整理するフランス革命の主体
陰陽五行の宇宙の仕組みとつなげて、フランス革命の主体を整理してお伝えいたしました。
陰陽五行でみれば、内部で作用する五行の五つのパターンと、外で作用する陰陽の二つのパターンがあります。
これをフランス革命にあてはめて、五行をフランス内部での五つのパターンに置き換えてみたら、五つの基本パターンは、(1)王、(2)聖職者(第一身分)、(3)貴族(第二身分)、(4)ブルジョワ(第三身分)、(5)平民(第三身分)の五つにあたります。
フランスの外で作用する二つのパターンにあたるものとしては、陽にあたるのは諸外国・対仏大同盟の力です。
外国から革命への干渉が強まった背景もあり、国内の力を結集させようとするあまり、残虐な恐怖政治へ暴走していきました。
陰にあたるものとしては、金融資本権力です。陰陽五行は、お互いがお互いを活かしあったり、滅ぼしあったりもする相生相克関係にあり、立場の違いが利害が複雑に絡みあっている事をお伝えいたしました。
宇宙の作動原理と革命の作動原理
フランス革命時の構造を砂時計に例えて説明すると、上から下へ砂が落ちていくように上部構造から下部構造へ流れる構造があります。
社会を動かす上部構造として、王、聖職者、貴族。その上部構造が平民、ブルジョワといった下部構造を支配し、貧富の格差が生まれ、強烈な圧縮が掛かっていた構図がありました。圧縮をずっと掛け続けていれば、いつしか行き場を失って爆発してしまうように、鬱積した苦しみや不満といったエネルギーがいつしか上部構造と下部構造が大反転させる事につながります。
そして、平民、ブルジョワが上部構造に立ち、下部構造にひっくり返った王、聖職者、貴族らは、国王処刑、貴族消滅、聖職者の地位低下など余儀なくされます。
極度の貧困と奴隷同然に生まれながら「持たざるもの」として身分が固定されて虐げられてきた民衆が旧体制・旧支配権力から解放されました。しかし、旧支配権力による支配から解放されても、お金と脳・観点・考えの支配から解放されていない、という本質的な問題があることをお伝えしました。
政治観の対称:対立の歴史と「尊厳」による融和の道
政治観の一番象徴的な対立として、「自由と平等」があります。真逆な概念を両方同時に求めている矛盾があり、「自由と平等」から派生した思想・イデオロギーが広がっていきます。
アインシュタインが「いかなる問題も、それを作り出した同じ意識によって、解決することはできません。」と言ったように、今までの対立の歴史を作ってきた根本原因は、人間の部分認識の結果です。だからこそ、人間の意識の次元上昇が必要なのです。
西洋思想の根本的な対立を収めなければ、本当の対話が起きません。それができないから逆に、力で支配したり殺しあってしまうのです。
これを解決する新たなキーワードが「尊厳」です。HITOTSUのイメージから全てが生まれて、相対世界のすべての現象を整理整頓するHITOTSU学・観術によって、意識の革命・教育の革命を起こすことができて、全ての対立がゼロ化ができる、という事をお伝えいたしました
尊厳革命はどのように起こるのか・大事件の背景
尊厳革命はどのように起こるのか?教育・経済・政治・文化の4つで整理いたしました。
≪教育≫
21世紀の啓蒙、人性教育、脳・観点の奴隷から解放、アジアのルネッサンス
キーワードは「尊厳」です。志半ばに死んでいった革命家たちが残した歴史のギフトを受け継ぐべきではないでしょうか。フランス革命での啓蒙教育を次元上昇させた21世紀の教育が必要です。
≪経済≫
新素材「1」、認識OS活用、科学技術を補う認識技術、人間開発基盤の認識経済
新素材「1」の活用を通して、科学技術を補う認識技術が必要となります。なぜならば、科学技術の発展と人間の精神水準・認識能力がアンバランス過ぎるのです。今年、一般発売となる世界初の感情認識パーソナルロボットPepperは「クラウドAI」によって、ロボット間の分離ない協力体制が構築できています。
それに引き換え人間同士の間は認識水準は低く、お互いがお互いを分離・分断し、争いは終わらず、協力体制は築けていません。毀損されてる人間の尊厳性を回復し、今まで開発・開拓してこなかった人間の認識能力を次元上昇させるのが認識技術「観術」です。
≪政治≫
意思決定能力の進化、観点障壁突破の和心政治、ハイパーコネクション都市
何をおいても意思決定能力の進化が大事です。自分で意思決定や価値判断をせず、マスコミ報道や権力側の判断に委任してしまっているのです。
例えば昨年、与党の自民党・公明党が圧勝した衆議院選挙がありましたが、投票率は過去最低の52.66%でした。政治参加しても何も変わらないという無力感が際立った選挙と言われていますが、議会制民主主義の原則に則り、当選した人物・政党が国を動かしていきます。
しかし、有権者全体に占める得票率割合からみれば、与党は25%に過ぎませんが、国会議席数は70%近くに達しました。その結果から安倍首相は「支持を得た」と宣言しましたが、こうした選挙への関心の低さは、主権者の意思決定能力を育てて来ていないからと言えます。
それが最終的には、自分自身の尊厳性が傷つく事になってしまうのです。ですから、自由民主主義を超えて一人ひとりが主体的に参画するボトムアップ型の尊厳民主主義の仕組み作りが必要なのです。
≪文化≫
教育経済メタ・ネットワーク、メディアプラットフォーム、尊厳関係場の世界連帯
教育・経済・政治・文化が揃って初めて革命が起こります。文化で大事なのは、何よりも人の交流が活発に起こる事です。観点の問題を解決した人々のメタネットワークが必要で、その人々が融合していくための観術TVというメタプラットフォームも創っています。それが日本、韓国、中国からアジア、アメリカ、ひいては世界を包んで行く、それらの広がりによって作られるのが尊厳関係場の世界連帯の未来像です。
尊厳革命が開く新時代へのプレートチェンジ
最後に陰陽五行(2+5)の宇宙の仕組みとつなげて、尊厳社会における主体を以下のように整理していきました。
講義後、質疑応答の時間があり、会場からは多くの手があがり、率直な質問がありました。
終わりにHITOTSU学創始者NohJesuからのポエム「SoulJ
あなたよ」が送られました。日本やアジアが尊厳が破壊された時代を包みこんで新しい時代を作っていきたい、そういう想いをもって書かれた詩の内容です。
今回も、多くの皆様のご来場、誠にありがとうございました。
第3回は、3/15(日)の開催です。次回もどうぞご期待ください。