第118回 HITOTSU学公開講座 (2016.5.14)

これまで10年以上の開催実績を持ち、東洋思想や西洋科学などの多様なテーマを取り扱ってきたHITOTSU学公開講座。今回は「日米160年史の未来」というまったく新しいテーマでの開催となります。

本日のテーマに入る前に「HITOTSU学とは何なのか?」その概論についてお伝えし、「観点とは何か?」については本講座でおなじみの道具を用い、初めて来られた方にも分かるように基本的な説明させていただきました。

アインシュタインが「いかなる問題もそれを作り出した同じ意識によって、解決することはできません。」と語っていたように、いかなる問題も、根本解決の為には観点の問題を解決できる新しい認識方式の獲得が必要という事をお伝えしました。

まず初めに、そもそも私たちはなぜ日米について学ぶ必要があるのでしょうか。

考えてみればアメリカはとても身近な国で、飛行機、ロケット、野球、弁護士、デモクラシー、バスケット、野球など身近にあるものは全部アメリカから日本に入ってきました。そして、安全保障、TPPなどの課題もあり、私たち日本人にとってアメリカは切っても切れない存在です。

また、2016年は、5月下旬のオバマ大統領の広島訪問もあり、11月の大統領選挙において話題のトランプ氏の存在もあり、今年は特に注目したい時期でもあります。

親米か反米か、といった今までのアメリカとの日米関係の枠組みの次元では政治経済などの諸問題は解決しません。この講座を通して、今までにない全く新しい日米関係の枠組みや方向性を皆さまと共に考えていければと思います。

本講座では、アメリカを訪問してみて、現地で感じた事も合わせて語らせていただきました。同時に、根深く入ってしまっている過去のイメージに縛られた歴史認識を解くことをしなければ、新しい日米関係をつくっていけない、という話もお伝え致しました。

シリーズ第1回目となる今回の講座では、アメリカの独立から建国の背景、明治の日本との出会い、その時代に生きていた代表的な人物を紹介しながら、太平洋を挟んだ日米関係がどんな背景をもっているのか、そして日本の明治維新にフォーカスを当てていきました。

はじめに、イギリスの植民地から、独立国家アメリカを創建するまでの流れを3つのステップで整理いたしました。

 

1、イギリスの植民地からの訣別。トマス・ペイン『コモン・センス』

アメリカはイギリスの植民地であり、旧秩序の支配下にあった時代を超えて、1775年より旧秩序からの独立を目指す独立戦争が勃発。1776年1月に発刊されるとベストセラーとなり、「旧秩序と決別し、アメリカが独立する考え方は“Common Sense(常識)”だと提唱したことで独立戦争に多大な影響を与えました。

 

2、トーマス・ジェファーソン起草『独立宣言』

「今まで」と「今から」を分ける意思決定の決断が「独立宣言」です。アメリカ人であれば誰でも学ぶ最もなじみ深い独立宣言の思想的背景も共有いたしました。

 

3、独立国家アメリカ創建『ザ・フェデラリスト』「1787年9月17日 合衆国憲法作成。」

独立宣言後、国の設計図として世界で初めて成文憲法として作られたのが「合衆国憲法」です。憲法成立に関わった人物、建国の志が込められている最初の一文「We the people~(われら合衆国の人民は、~)」を紹介いたしました。

また、『フェデラリスト』は後に、明治憲法の設計者・伊藤博文の座右の書となりました。アメリカの設計図が明治日本の設計図に大きな影響を受けていることをお伝えしました。

そして、東海岸の13州から始まり、西へ西へと開拓していき、太平洋を超えて、中国へ進出しようとしたアメリカが出会ったのが日本でした。

当時の東南アジアは西洋の列強諸国の進出により、植民地化されていった時代でした。1853年には日本に黒船が来航して、日本にも危機意識がありました。植民地化の危機にあった旧秩序の日本から、幕藩体制を打ち倒し、明治維新を成功させ、近代国家日本創建へと、どのようなパラダイム転換があったのか3つのステップでお伝えしました。

植民地化の危機。倒幕思想、倒幕運動。安政の大獄。

2、明治維新の成功、大政奉還・五箇条の御誓文。
3、文明開化・社会制度の西洋化。

共に新世界・新秩序へ向かう、アメリカの独立革命と日本の明治維新

 

近代化した日本が、西洋化に走っていく中で、日本の行く末を危惧した福沢諭吉氏を紹介しました。日本が真の独立心なしに、西洋を形だけ受け入れるだけに終わったら、大きな問題を起こることを憂えていました。文明とは、最終的には一人一人の人間性、精神性の向上が大事だと説いています。

1、「尊厳の危機」西洋近代文明とその根源にある観点の問題
2、「尊厳宣言」人間完成・絶対尊厳。独立した意思決定能力の融合による集団知性体
3、JAPAN MISSION・JAPAN DREAM。日本発尊厳社会の創建

 

第1回目のまとめとして、日本発の尊厳社会の創建へ3ステップをお伝えしました。

なぜ、人間の理性は不完全なのか、争ってしまうのか、西洋近代文明が「尊厳の危機」に陥っている究極の原因が「観点の問題」です。西洋の教育、思想、宗教の足りないところを補い、底上げする教育革命が必要です。今、新しい社会を作っていける新しい教育が完成したからこそ、アメリカでも広げていこうとNR AMERICAを設立した背景のお話もさせていただきました。

講座の最後には、NRグループ代表Noh Jesu氏のポエム「侍の剣 暗闇の剣」を紹介し、本講座の締めとさせていただきました。

 

大阪で開催する5月29日のイベント「日本の可能性が爆発する!~常識を打ち破るIT以降の新産業~」を皮切りに、“人工知能を超える”日本発の教育革命を世界へ広げていくJAPAN MISSION・JAPAN DREAMのムーブメントを、一人でも多くの方と共に起こしていきたいと願っています。

「JAPAN MISSION PROJECT」ホームページ
http://project.japanmission.jp/

今後は、東京、福岡、札幌、長野など全国の主要都市で開催が予定され、他にも様々なイベントをご用意して、みなさまの参加をお待ちしております。

6月18、19日には「TPP -Together for Peace Power- 2016」が開催されます。

NPO法人PBLSは、おかげさまで15周年を迎えました。観術創始者Noh Jesuも登壇する今年のグランドテーマは、「戦争のパラダイムを終わらせる平和のパラダイム」。

TPPは、『平和』を「名詞」ではなく「動詞」としてとらえ、今この瞬間一人ひとりが蓄積していくPeace Powerによって、 個人の心の変化から社会の変化を創造していく文化的ムーブメントです。

18日には、観術・HITOTSU学創始者として、NRグループ代表として、数々の認識商品を開発し、数多くのムーブメントを成功に導いてきたNoh Jesu氏の講演会。15周年を記念する講演テーマ「世界を救済する日本のPeace Power」から発信される、新時代の日本に向けた熱いメッセージをどうぞお楽しみに!

そして19日には、今年で4年目となる日韓交流公演「和之舞楽」。平和の「和」、ひとつに繋がる「和」。深いところから来る愛を表現した舞踏と音楽、能楽を140年の歴史ある横浜能楽堂にて、15周年記念を豪華に飾ります。

 

次回、シリーズ第2回目は、6月5日(日)の開催です。また会場にてお会いできることを楽しみにしております。今回もご参加いただきましてありがとうございました。