第45回HITOTSU学公開講座(2010.1.16)

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今回は、2010年初めての開催で、2ヶ月ぶりの講座でした。全十三篇から構成される孫子の兵法の第十篇までの解析が終了し、残すところあと僅かとなりました。

まったく新しいものの観方、観点を持つことを可能するHITOTSU学ですが、その新しい観点から観たときに、この時代に孫子の兵法を取り上げることにどのような意味があるのでしょうか。

科学技術、情報技術が発達した現代では、これまで人間が従事してきたパターン化可能な仕事の多くは、自動化・機械化が進み、プログラムやロボットが従事するようになり、人間の仕事場が激減しています。また、インターネットを通して、いつでもどこでも無数の情報知識に容易にアクセスでき、記憶を中心に置く、これまでの教育・学校・教師の価値が失われています。これらは、現代が抱える問題のほんの一握りです。多様な問題が溢れる現代には、問題を根本から解決していくパラダイムシフトが必要な時です。孫子の兵法を通して、私たちはその開拓力を学ぶことができるのです。

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第十一:九地篇は、孫子の兵法の中で最もボリュームがある章です。「呉越同舟」や「始めは処女の如く、後は脱兎の如く」などは、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。九地篇では主に、9種の地勢とその対処法について述べられています。地勢とは土地全体のあり様のことを言います。地勢のパターンを知ること、そして、その地勢に応じた対処法を知ることが軍事上の補助要因となるのです。

HITOTSU学は、今ここの生き方に応用できる学問です。九地篇と現代をつなげれば、どう解析できるのでしょうか。
戦いの場は、かつての戦場から市場へと移り、企業間での激しい競争が繰り広げられているのが現代です。そして、戦いの場市場から「心場」へと移ろうとしています。「心場」の戦いは、愛の戦争です。それは、自分自身との思考との戦いです。「体が自分」と思うことは、いわば自分の一部分であるはずの思考に体がクーデターされてしまっているようなものです。その状態では、人間の尊厳性が発揮できず、屈辱で、悲惨で、残酷な生き方を強いられてしまいます。それは人間の本質的な限界である、四苦八苦と無知を突破できないことを意味します。この限界を突破するためには、「心が本当の自分」であることを知ること、言い換えれば「心の差を取る」「差取る」ことです。悟った個人が、人を悟らせていく、それが愛の戦争です。その先に、誰もが望むWin-Win, All Winの世の中が創られるのです。

このパラダイム転換の中心主体になれるのが日本文明であると、韓国人のNohさんは言い切ります。心を悟らせていくためには観点を変化移動できる認識センスが必要不可欠です。日本人には、わびさび美学の認識センス(例えば、鉄に生じる錆に美しさを見出す)が根付いており、観点変化ができる土壌が整っています。しかし価値観が多様化する現代では、繊細で敏感な日本人の心は苦しんでいます。しかしそれは裏を返せば、深い認識センスを持っているからこそ感じる苦しみです。Nohさんはそんな日本人を見て、自分自身が本来持っている良さ、素晴らしさに気付いて、日本人のハートで世界を救って欲しい!と熱い思いを持ち、国家民族を越えて世界68億人の幸せのために日本人へのメッセージを送ります。その姿勢は本講座を通して一貫して変わらぬものです。

2010年は激動の一年になることが予想されています。みなさまとHITOTSU学公開講座を通して、変化の大波に対応し、変化をリードしていく術を共有できればと思います。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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