第57回 HITOTSU学公開講座 (2011.1.15)

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厳しい寒さの中、2011年初となった今回は、「孫子の兵法」を活用した21世紀企業の経営戦略シリーズ5回目でした。HITOTSU学(観術)の独特な観点からの「孫子の兵法」の解析を、企業経営に応用するより実践的な内容でした。初参加の方も多くいらっしゃいましたが、楽しんでいる様子が伺えました。

冒頭ではいつものように、HITOTSU学概論をお伝えしました。詳細は過去のレポートからご覧ください。HITOTSU学の観点から捉えると、私たちが生きる現実は錯覚であり、その錯覚の中で“戦争”が起きています。この“戦争”とは、目に見える戦争だけではなく、目に見えない戦争のことも含んでいます。孫子は戦いのパラダイムを変化させました。戦争を終わりにさせる「戦わない戦争」が求められる現代において、孫子の兵法を学ぶことは非常に価値高いものなのです。

ここ最近、スマートフォンが世間を騒がせていますが、世界最大の携帯電話メーカーNokiaは、いち早くスマートフォンの開発を成功させたのにも関わらず、今は他のメーカーに大きく遅れをとり、当時の経営陣はその責任を取って退陣するという事態がありました。なぜこのような状況になってしまったのでしょうか。そこにはプラットフォーム戦略がなく、スマートフォンを多くの人が使用する土台が作れなかったことが影響していました。これは、自社のためだけではなく、顧客・社会・未来のことを発想の起点にしたグランド・ビジョンを掲げることが必要であることを学べる事例です。設立5年で85%の企業が倒産し、10年以上の企業存続率は僅か5%という現代、プレートチェンジの必要性を語るグランド・ビジョンが持てるのかどうかが、企業経営に当たり非常に重要なファクターです。これは孫子の兵法の第一篇から読み解ける内容です。(孫子の兵法の解析はこれまでのレポートをご覧ください)
では、グランド・ビジョンを持つためにはどうしたら良いのでしょうか。それは簡単なことだとNohさんは言います。まず、現実は錯覚であり、また戦争の歴史であることを知ることです。そして、戦争の原因を知り、原因を根こそぎ取ること。それは永遠に変わらないHITOTSUを明確に認識することです。その技術がHITOTSU学をベースにした観術なのです。

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後半では、孫子の兵法第二篇のキーワードである「速戦速勝」とつなげて、「①いつどこで、②どんな個人・人間関係・組織の在り方で、③何をするのか?」というお話がありました。また質疑応答では以下のような質問が共有されました。

・現実から離れるにはどうしたらいいのでしょうか?
・例えば、ある宗教が他宗教の価値観・神を受け入れないから争いが生まれうると思うのですが、全部に共通する価値観がグランド・ビジョンなのでしょうか?
・悟る人、気付く人が増えたらいいと思いますが、それを教えようとすると、依存してしまって逆に悟りにくくなってしまうジレンマを感じるのですが、どうしたらよいのでしょう?

これからはアジアの時代です。東洋の素晴らしさ人間の尊厳性、その希望に目覚めた時に新しい時代が始まります。東洋の悟りの「感性」と西洋の最終理論の「理性」が融合した“21世紀の悟り”である観術を道具に、日本から新しい時代を切り開いていって欲しいと、最後にNohさんからの日本人への熱烈なメッセージがありました。

2011年の公開講座は、昨年以上にバージョンアップするべくスタッフ一同努めてまいりますので、本年もどうぞよろしくお願いいたします。ご来場いただきまして誠にありがとうございました。