第64回 HITOTSU学公開講座 (2011.9.10)

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今月のHITOTSU学公開講座、十牛図の世界第3回目でした。

十牛図は、人間の宿命的課題を解決する過程を10段会で説明しているものです。別な言い方をすれば、真理を悟っていくプロセスであり、無知の苦しみを解決し、六道輪廻をSTOPしていく道程であるということもできます。

前回の講座から、十牛図の本質的な解析と共に、日常的な問題解決にも十牛図を活用してお伝えしています。今回のテーマは「不安解消の問題解決」。現代を生きる多くの人が抱えている感情の代表とも言える「不安」。今回はこのテーマを取り上げて、皆さんと共に整理をしていきました。

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まずは、個人を取り巻くこの時代という環境の整理を通して、現代の個人がなぜ苦しい現実にとらわれているのかを整理しました。
まずは、古代より続く王権による支配の歴史がありました。王権による支配を突破した近代の市民社会ですが、今度は個人個人の判断基準が王権化してしまっていることを指摘しました。それによって、お金(財力)による支配構造が生まれてしまったり、生命の私有化がおき、個人主義が強烈に進展してしまっているのです。
このような時代の流れの中で、個人個人の格差がひどくなり、資本主義社会が煽動する競争社会で生きている現代人の心を理解しました。

観術は、自分以外のものや存在を変化させてきた学術とは異なり、今ここ自分自身に対する認識の転換から、人間の最高の尊厳性を観ることを可能にする観点移動の技術です。新しい時代を切り開いていくためには人間自身の開発開拓と無限の価値付が必要です。そのために、観術は最高の道具として未来社会の創造に貢献していくことを改めて語らせていただきました。

本質的な観点での十牛図の整理は、今回は1・尋牛~3・見牛までを取り上げました。
尋牛で、家から出る姿が描かれています。観術では、この家を「心の家=Mindome・判断基準」と定義し、この判断基準から生まれる問題意識を整理しています。
自分自身の家の中にいる状態では、悟りに向かう意識も生まれません。変化に必要なことは「明確な問題意識=質問」です。どんな質問を持つのかによって、自分が出会う世界が変わっていきます。質問・疑問がない状態は尋牛の前段階であることから、0段階というイメージ=家の中にいて牛がいなくなったことにも気がついていない人のイメージ図をご紹介しました。多くの人が実はこの0段階です。
人生はこの質問と答えの連続です。今回は、「なぜ不安が生まれるのか?」という質問を持った状態からスタートする十牛図、ということになります。

1・尋牛では、今までの生き方を、自分中心で全てを整理してきた生き方(3D Life Dream Design Deliverly)とするならば、その生き方をSTOPする決断の必要性で説明しました。
個人で生きることの限界を知り、人間で生きることの限界を知ったときに、さらなる可能性と出会うことが可能になります。歴史の流れを見ても、個で生きる生き方は限界を迎えています。この明確な決断から、新たな必要性を見出すことを「家からでる」と表現しているのです。
2・見跡の段階では、3Dに新たにDefine(定義)とDiscovery(発見)が必要であることとして整理をしました。今までにない新しい観点を取り入れ、再規定することで、変化と進化が可能になるのです。観術では、これを観点次元上昇原理として整理しています。
3・見牛の段階では、新しいイメージとの出会い。今までの体の感覚を超えた心の感覚とはどういうものなのか?これは、HITOTSU学アドバンスセミナーとスペシャルセミナーにてご案内している世界です。誰でも理解可能な新しい世界との出会いをこの段階で整理しました。

それでは、この観点を日常の問題解決に応用してみるとどうなるのでしょうか?
今回のテーマである不安解消の観点では、以下のように整理ができます。
まず、不安が生まれる全体像については個人の原因だけではなく、多様な側面から整理をしました。

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その上で、不安を解消し、未来社会へ向かっていく段階を細かく見ていきました。

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1・尋牛

牛は不安を誘発する犯人だと観ることができます。また不安を理解するためにはその反対をイメージすることが重要です。不安の反対はワクワクの心。子供の頃持っていた無限大の好奇心を私たちは失ってしまっています。

2・見跡

では、なぜワクワクすることができないのでしょうか?その原因(端緒)に注目していくと、判断基準の問題にいきあたります。生まれてから今までずっと育ててきた、自分独自の判断基準に固定されてしまうことが、ワクワク感動できない原因なのです。

3・見牛

判断基準が一体何なのかを明確に理解することが必要です。判断基準の5つの特徴(①誰もがもっている②みんな違う③ひとつにするのも問題④不完全⑤無意識に絶対と思い込んでいる)を理解することを通して、そこから生まれる固定された現実画面・5感覚の限界・今までの言語で出会えるイメージの限界(暗記言語の限界)・一般常識化された集団知性の問題も理解できてきます。
これらの過去のイメージを0化することができなければ、結局は変化することができない輪廻の罠にはまってしまいます。

4・得牛

イメージの0化をする=問題の根から自由になるためには、現実は条件付けられている錯覚世界であることを知ること。どんな条件にも永遠に変わらない絶対世界から、条件によって変化する相対世界=錯覚世界が生まれることを理解することが必要です。脳の錯覚メカニズムを理解することで、問題の原因からの解決と、新しいイメージとの出会いが早まっていきます。

5・牧牛

真実の原因態と錯覚の結果態が1つになっている=Onenessの状態そのものになったときには、問題が問題ではなくなってしまいます。仏教ではこれを9段階禅定の①~④段階の有想三昧として語っている世界です。

6・騎牛帰家

意識の宇宙と物質の宇宙がひとつ。自分と他人がひとつ。その本来の状態を脳が分離Image展開して四苦八苦の世界を作り出す世界を理解したときに、不安が生まれる過程全体を俯瞰することができ、自由な世界が生まれます。

7・忘牛在人

不安がなくなった状態(牛の存在さえも忘れた状態)になった時には、考えがとてもシンプルになっています。関心があることは、宇宙がある状態(相対世界)と宇宙がない状態(絶対世界)をひとつにしている世界。そのひとつがなんなのか?という最終的な質問ひとつだけがあるのです。(Final Question)

8・人牛倶忘

最終の質問があれば、最終の答えがあります。Final Answer=イメージ不可能な究極の世界そのものであることが理解できたときに、考え卒業・人間卒業。第2の誕生が生まれます。究極の可能性に満ちている究極の存在態・不動心・不動の意志で生きる生き方に目覚めた段階です。

9・返本還源

不安そのものがなくなった存在として、すべての存在に対して無限の意味付価値付を可能にする究極の意味態の状態で生きる段階です。

10・入鄽垂手

自らの意志で、どんな関係性を構築していくのか?自分一人だけではなく、感動の連鎖を作り出していくことができる究極の関係態の状態で生きる段階です。

不安の問題を通して、ワクワクの未来を創ることができる人生を作っていけることを今回は十牛図を通して整理をしました。
明確な問題意識を持つことで、問題解決と、新しい未来に対する道を案内してくれる答えを持つことができます。
HITOTSU学・観術は、先が見えないこの不安あふれる時代に、心がスッキリで不安がなく、未来への無限の可能性に満ち溢れた生き方を実践するみなさまの最高の道具として共に進んでいくことを願っております。日本から、新しい21世紀の生き方を創造していきましょう!

来月のテーマは「情熱」です。不安を解消し希望あふれる未来に向かって生きる新しいエンジンを得ていく世界を十牛図を通してどのように整理していくのか。来月も皆様と共に学べますことを、スタッフ一同心よりお待ち申し上げております。

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